「新しくWebシステムを構築する際、データベースは何を選べばいい?」
「MySQLとPostgreSQL、どちらが自社のシステムに適しているのか分からない…」
Webアプリケーションや企業システムを構築する際、必ず必要となるのがRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)です。中でも、世界的に高いシェアを誇るのがMySQLとPostgreSQLの2つです。
どちらも優れたオープンソースのデータベースですが、その設計思想、機能、パフォーマンスには明確な違いがあり、選定を誤ると、システムの将来的な拡張性や安定性に大きな影響を及ぼします。
本記事では、企業システムの開発とデータベース設計を専門とする弊社Handz Corporationが、MySQLとPostgreSQLの技術的な特徴と違いを徹底解説し、貴社の事業フェーズやシステム要件に応じた最適な使い分けの基準を提示します。
「データベース選定で失敗したくない」「安定性と拡張性に優れたシステムを構築したい」とお考えの経営者様・担当者様は、ぜひ本ガイドを意思決定にお役立てください。
1. データベースの基礎:RDBMSとMySQL・PostgreSQLの立ち位置
1.1. RDBMS(リレーショナルデータベース)とは
RDBMSとは、リレーション(関連)を持つテーブル(表)形式でデータを管理するシステムです。現代のWebサービスや企業システムのバックエンドのほぼ全てで利用されています。
- 役割: データの整合性を保ちながら、大量のデータを安全かつ迅速に保存・検索・更新・削除すること。
- 言語: データの操作にはSQL(Structured Query Language)という共通の言語を使用します。
1.2. オープンソースRDBMSの二大巨頭
MySQLとPostgreSQLは、どちらも無料で利用できるオープンソースソフトウェアであり、商用データベース(Oracle Databaseなど)に匹敵する性能を持っています。
- MySQL: 世界で最も普及しているデータベース。高速性と扱いやすさが特徴。
- PostgreSQL: 高度な機能と厳密なデータ整合性を重視したデータベース。
2. MySQLとPostgreSQLの技術的な違い【比較表】
両者の設計思想の違いは、機能の差となって現れています。
| 比較項目 | MySQL | PostgreSQL |
|---|---|---|
| 設計思想 | 高速性・実用性重視 | データ整合性・機能性重視(厳密) |
| 開発元 | Oracle社(オープンソース版も提供) | コミュニティ主体 |
| データ型 | 比較的シンプル。用途に応じてエンジンを選択(InnoDB, MyISAMなど)。 | 非常に豊富。配列型、JSON型、地理空間データ型など多数に対応。 |
| ACID特性 | 基本的なトランザクション管理は可能だが、厳密性で劣る場合がある。 | 非常に厳格。データの整合性・安全性が高い。 |
| 並行処理 | 大規模な書き込み処理でロック(処理停止)が発生しやすい傾向。 | マルチバージョン同時実行制御(MVCC)により、ロックの発生を抑え、高い並行処理性能を持つ。 |
| 標準規格への準拠 | 独自の拡張が多い。 | SQL標準規格に厳密に準拠している。 |
| ユーザー層 | Webサービス、小〜中規模システム、スタートアップ | 金融、学術研究、IoT、大規模・複雑な企業システム |
3. 【ビジネス要件別】MySQLとPostgreSQLの使い分け
どちらのデータベースを選ぶべきかは、システムが満たすべき要件(何を重視するか)によって決まります。
3.1. MySQLが適しているケース
MySQLは、シンプルさと高速性、普及率の高さを重視する場合に最適です。
| 要件 | 理由 |
|---|---|
| Webサイト、ECサイト | 読み込み(SELECT)処理が高速で、大量のアクセスを処理するフロントエンドのWebシステムに強い。 |
| スタートアップ・小規模開発 | 導入が容易で、情報源やノウハウが豊富。開発・運用にかかる学習コストが低い。 |
| ホスティング環境 | ほとんどのレンタルサーバーで標準サポートされており、環境構築が簡単。 |
3.2. PostgreSQLが適しているケース
PostgreSQLは、データの整合性、複雑な処理、将来的な拡張性を重視する場合に最適です。
| 要件 | 理由 |
|---|---|
| 金融、決済、基幹システム | ACID特性が厳格で、データの欠損や不整合が許されない業務(特に金銭取引)に最も適している。 |
| データ分析・地理情報 | 配列、JSON、地理情報など、多様なデータ型に対応しており、BI(ビジネスインテリジェンス)やIoTデータの処理に優れている。 |
| 複雑なビジネスロジック | ストアドプロシージャや関数など、高度な処理機能をデータベース側で実行できるため、複雑な要件に対応しやすい。 |
| Pythonとの連携 | Pythonのデータサイエンス系ライブラリとの親和性が高い。 |
プロの選定基準:システムの未来を考える
現時点ではMySQLで十分な場合でも、将来的にAIやデータ分析、複雑な社内システムとの連携が必須となるなら、PostgreSQLを選定しておくことで、技術的な障壁を低く抑えることができます。
4. データベース選定時に注意すべき3つのポイント
4.1. データの整合性(ACID特性)を最優先するか
特にECサイトの在庫管理や決済ログ、銀行取引など、データの正確性がビジネスの信頼性に直結する場合は、PostgreSQLの厳格なACID特性(トランザクション処理)が大きなアドバンテージになります。
4.2. スケールアップ・スケールアウトの計画
- MySQL: 大量の読み取りアクセスには、レプリケーション(データの複製)によるスケールアウト(台数を増やす)で対応しやすい。
- PostgreSQL: 複雑な処理能力を確保するため、スケールアップ(スペックを上げる)による拡張が中心となることが多い。
システムの成長予測に合わせて、どちらの拡張戦略が容易かを検討する必要があります。
4.3. エンジニアリソースと学習コスト
MySQLは学習資料や利用経験者が非常に多いため、開発・運用エンジニアを確保しやすいという大きなメリットがあります。一方、PostgreSQLは専門的な知識が求められることが多いため、高度なスキルを持つエンジニアの確保が重要になります。
5. まとめ:ビジネス要件に基づく最適なデータベース選定を
MySQLとPostgreSQLは、どちらも非常に優れたRDBMSですが、「何を最も重視するか」によって最適な選択肢は異なります。
| 選択肢 | 向いているシステム |
|---|---|
| MySQL | 高速な読み取りが要求されるWebサイト、シンプルな構造のサービス。 |
| PostgreSQL | データの厳格な整合性が求められる金融・基幹システム、AI連携や複雑なデータ処理を前提としたシステム。 |
✅ 失敗しないデータベース選定の鍵
- 要件定義: データの整合性がビジネス上どれだけ重要か(金銭が関わるか)を明確にする。
- 将来性: AI・データ分析への拡張、システムの大規模化に対応できるか見極める。
「自社の事業計画に合った最適なデータベース選定から設計までを依頼したい」
「PostgreSQLの高度な機能を活用した堅牢なシステムを開発したい」
そうお考えの企業様は、ぜひ一度、データベース設計とシステム開発の専門家である弊社Handz Corporationにご相談ください。貴社のビジネス成長に最適な技術選定と、安定性の高いシステム構築をサポートいたします。
下記のボタンから、お気軽に無料相談へお申し込みください。
無料相談・お問い合わせはこちら